令和4年2月10日(木)
2年生対象で「ハンセン病問題と感染症」をテーマに3学期人権教育HRを実施しました。
以下、生徒の感想を掲載します。
・ハンセン病の問題は聞いたことがあるくらいで、未だに多くの人が療養所にいるのは知りませんでした。ハンセン病のみならず、今もなお差別という問題は残っているし、法律などによる解決だとどうしても後手に回ってしまうので、私たち1人ひとりの意識が大切だと思いました。未知のものに対する恐怖だったり、同調圧力によって、間違った対応をしてしまう人も多いと思うけど。確かなエビデンスによる正しい行動を行う人が増えていけば、同調圧力が良い方向に働くこともあると思うので、その一人になる勇気をもった人間になりたいと思いました。
・今日の学習で、感染症によって起こる差別の原因について知ることができました。感染症による差別は、無知や恐怖心などだけではなく、同調圧力などによるものもあるとわかりました。また、感染者の方のお話の中の「自分が通ってきた道なのだから」という言葉がとても心に残りました。ひどい差別を受けてきたのにも関わらず、強く生きておられる姿に、そのような方を苦しめていた過去があること、とても悲しく感じました。ハンセン病に対する差別には新型コロナウィルスによる差別と似ているところが多くあり、自分がこれからすべきことについて考えさせられました。
・今の日本では「人権」という考えが広がってきていますが、昔は国がハンセン病患者の隔離政策をしていたことを知り、自分が隔離の対象だったらと思うと悲しい気持ちになりました。今では昔と比べたら少しは人権を守ることができると思います。しかし、差別や偏見はまだなくなっておらず、なくすことが難しいものだと思います。新型コロナウィルスは分かりやすい例で、市内や校内など、自分の近いところで感染者が出ると、犯人探しかのように「感染したのは誰?」という言葉が飛び交うのが現状です。そして、感染を広げないためではありますが、避けられたり、隔離されたりするのも事実です。感染者の心が病んでしまわないように、優しい見方が広がるといいと思います。
・ハンセン病について差別があったことは知っていましたが、それが具体的にどういうものか説明できる程ではありませんでした。今回きちんと知ることができて良かったです。無知でいることは恐れを引き起こし、恐れは差別を引き起こすということがよく分かりました。私は、特にその差別のエスカレートしていくところに恐怖といらだちを感じました。どう考えても人道上おかしいのに、どうして止めることができなかったのだろうと。今コロナ禍にあって、私達はウィルスの脅威に集団で立ち向かう必要がありますが、一歩間違えると人権をそこなう非常にデリケートなこととして考えるべきなのかもしれないと思いました。
・ハンセン病とは違い、現在の新型コロナウィルス下では、国自体が感染者に差別的なことをするといった事はあまり聞きません。ただ、感染確認当初は、発生源される中国への差別、感染拡大に伴う医療従事者や感染者、そのような方々の家族への差別などが後をたたなかったというのは事実です。多様性が謳われる今の世の中においても差別や偏見は起こるのです。何故なのでしょうか ? どうして人は差別をするのでしょうか?様々な理由はあると思いますが、 一つの理由として「無知」があると私は考えます。人間は未知の脅威に直面した際、無知であるがゆえに他人を自分から遠ざけようとし結果として差別が生じてしまうのだと思います。
・今日動画を見たり話を聞いたりして、いつの時代も差別や偏見は変わらないなぁと思いました。なぜその人人やその事について何も知らずにそんなひどいことが言えるのだろう。なぜ何も知ろうとしないのだろう。なぜ人が傷つく言葉をわざわざ言ってしまうのだろう。なぜ、なぜ・・・とたくさん“なぜ”と思います。今日の学習でも“なぜ”と思いました。今の時代では病気などでなくても誹謗中傷が絶えません。「会ったこともないくせに、知ろうともしてないくせに、無責任にひどい言葉を言うな」と私はずっと思っています。まず知ろうとする、そして知った後、悲しい言葉ではなく、優しい言葉であふれる世の中になりたい、したいと思います。
・僕は「ハンセン病」と言う病気を、名前は知っているだけで、どんな症状が現れ、そしてそれによってどんな問題が発生しているか具体的に知りませんでした。今回の授業で、人間というのは「無知」なものに多大な嫌悪感を示し、それに触れた人には容赦なく差別、罵倒を行うという恐ろしい生物であると改めて感じました。僕も人間なので全く何も知らないことに関しては恐怖心が勝ると思います。差別を受けたら当然のごとく悲しみます。しかし、差別を受ける人も、僕たちと同じように感情を持つ「人」であるのは間違いありません。なぜ嫌悪感を示す対象が「病原菌」から「感染者」に変わるのか僕には分からないので、差別を行う人の気持ちも分りません。だから、患者の人たちに正しい理解を示して、全員が平等であるような社会を造っていくべきだと思いました。