7月中旬から続く猛暑の毎日のなか、1学期が終わりました。5月以降、校内球技大会、野球応援など、コロナ禍以前の形での活動が増えてきています。一方で、大雨警報による臨時休校等が3回あるなど、平穏無事とは言えない時期もありました。
7月24日の終業式は猛暑のためTVシステムを利用した形で行いましたが、8月17日の始業式は体育館で行えることを願っています。
■ 終業式で伝えたこと
- 予定外のことが起こったとき、それに対応して先を見通し、自分の生活や学習などを調整する力、それは今後一層大切になっていると思います。
「やる気がなくなったのではない。やる気をなくすという決断を自分でしただけだ。」
GRITizm Note に載っているアルフレッド・アドラーの言葉です。
夏休みに計画通りにいかないことは多々あると思いますが、そこで自己調整力を発揮して毎日を過ごしてほしいと思います。
- 自分がワクワクすることがありましたか? 課題研究で、教科の学習で、部活動や生徒会活動で、あるいはそれ以外の活動で、「これは面白い、もっとやりたい」と思うことに出会ったでしょうか。
私は数ヶ月前「13歳からのサイエンス」という新書を紹介されましたが、その冒頭に、ノーベル物理学賞を受賞した小柴昌俊さんの言葉「心に夢の卵を持っておきなさい。」が引用されていました。
『若いうちに物怖じしないでいろんなことに挑戦し、体験してみて、そのなかから「あ、これならやれる」「これならやりたい」と実感できるものを見つけておくことです。そういうものが見つかったら、それが夢の卵です。』(『ニュートリノの夢』小柴昌俊)
ただ、ここで述べられているように、「夢の卵は、漫然と待っていれば勝手に降ってくるわけではなく、自ら動いてつかみ取るもの」です。そしてさらに付け加えるなら、動物の卵のように養分を与えて温め、自らが育てていくものです。
出雲高校での日々が、夢の卵を見いだし育てる時間であってほしいと思います。
7月26、27日に、山陰探究サミット、地域創生に向けた高校生からの提案、島根大学におけるグローバルセッション、キッズのためのスーパーサイエンスを行いました。これらの行事はすべて、3年生が昨年度から取り組んできた課題研究を発表する集大成の場です。
■ 地域創生に向けた高校生からの提案
26日は出雲市職員の方から発表に対する助言をいただき、翌27日は出雲市副市長様に9グループからそれぞれ提案をしました。全体講評として次のようなお話をいただきました。
- 出雲市が直面している身近な課題をテーマとしていたこと、3分間という短い発表でもきちんと肝の部分を押さえていたこと、探究の過程で検討を重ねて再提案していたことがよかった。
- 角度を変えて多方面から物事を捉えるということは大事。前例にとらわれず、新しいことにチャレンジしてほしい。
■山陰探究サミット
今年は県内外から本校を含め10校の高校生が平田文化館に集まりました。それぞれの探究活動の発表を通して、学校や地域を越えて、新たな発見につながる刺激を得ることができる学び合いの場が生まれました。
島根県立大学の先生方には審査員としてご協力いただき、最後には次のような全体講評をいただきました。
- 自分たちの発表を聞いてもらう、他グループの発表を聞くという交流が大事。自分の研究のレベルを高める機会である。
- 探究は、与えられた課題ではなく、自分たちの課題として捉えているかが大事。自分の興味を起点にしてほしい。
- 楽しく調べ、探究し、トライ&エラーを繰り返してたどり着いた自分たちの結論を、他の人に知ってもらう喜びを味わってほしい。
どちらの講評でも、「探究や学びのエネルギーは、やりたい、知りたいという、自分の内からわきあがる気持ちが源」というメッセージをいただいたように思います。
終業式、山陰探究サミット、地域創生に向けた提案などの行事を行いました