開会にあたり、ご挨拶申し上げます。本日は、島根県教育委員会から野津建二教育長様、教育委員の河上史子様、SSH運営指導委員、学校運営協議会委員の皆様をはじめ、多くの来賓の皆様のご臨席を賜り、本会が開催できることを大変嬉しく思います。高所からではありますが、厚くお礼申し上げます。生徒の課題研究にあたっては、島根大学、島根県立大学などの大学の先生方、飯塚出雲市長様はじめ出雲市役所の関係各課の皆様、出雲市教育委員会及び市内小・中学校の児童生徒と先生方、また地元企業や地域の皆様など、多くの方々に支えられながら取り組んで参りました。本校生の学習活動に対して多大なるご理解とご協力を賜り、地域を挙げて本校生の成長に関わっていただきましたことに重ねて感謝申し上げます。

 さて、この研究成果発表会は、生徒が取り組んできた研究成果を広く還元・普及する目的で開催し、今回で10年目を迎えます。コロナ禍にあって、昨年度は開催を急遽延期し、4月に校内で共有する形式をとりました。今年度はこうして予定通り開催できますことを大変嬉しく思っております。生徒達は、コロナによる様々な制約がありながらも、精一杯努力して研究に取り組み、このたびその成果をまとめてくれています。本会の開催にあたっては、感染症感染拡大防止の観点でステージ発表とポスター発表を同時進行で実施することで人の密を避けるとともに、聞き取りやすい発表形式としております。また、できるだけ多くの方々に関わっていただきたいと考え、ステージ発表については、オンラインで配信いたします。

 本校では、文部科学省指定の研究開発であるSSH事業を全校挙げて精力的に推進し、地域や社会のリーダーとして貢献できる人材、国創りを牽引するイノベーション人材の育成に取り組んでいます。課題研究は、事業の基軸となる学習活動であります。

 研究にあたる際の「学びのスタイル」として、①協働的な学習と②客観的根拠に基づく思考を重視しています。そうしたスタイルに基づいての研究活動であり、今日はその発信の機会でもあります。

 そして、「学びの志向」・スローガンとして、「自立・協働・挑戦」を掲げています。生徒達は、各自が当事者意識を持って、仲間と共に、未知の領域にも粘り強く研究に取り組んでくれました。教科学習を通じて、知識や技能、様々な物の見方や考え方を身につけた上で、自然界や地域社会での事象に広く興味・関心を持ち、テーマを設定して対象に向き合い、その過程での発見や気づき、疑問や課題に対して、自分事として考えることは、変化の激しい社会を生き抜いていく上で必要な資質・能力を身につけることにつながります。そして、課題等の解決に向かって、仲間と協働しながら先行研究を調べたり、聞き取り調査をしたり、実験を行ったりするなどして、試行錯誤しながら考え続け、解決策等を提案し、少しずつでも実践に挑んでいく、そういった学びの過程を経験することは、人間的な成長にとっても人材育成の点でも重要だと考えます。「自立・協働・挑戦」、課題研究による学習過程は人生の糧になると信じています。

 ここで、生徒の皆さんに発表会で心がけてもらいたいことを3点伝えます。一つ目は、発表は堂々と、聴く際は真剣に、といった姿勢です。濃密な対話、豊かなコミュニケーションの機会を楽しんでください。
二つ目は、チーム力を結集することです。個人研究ではありません。グループ研究であることを忘れずに、助け合いながら補い合いながら、研究アピールをしてください。三つ目は、成長、進化の機会にしてほしいということです。おそらく完璧な研究は一つもないでしょう。まだ発展途上のものばかり。質問や指摘は成長の栄養素となります。発表自体も大切ですが、質疑応答の時間をさらに大切にしてほしいと思います。互いに高め合うために、研究をさらに進化させていくために、遠慮なく質問を投げかけてください。
 今日に至るまでの研究活動の過程は、モヤモヤ、ハラハラ,ドキドキの連続だったのではないかと思います。この日の発表にようやくたどり着いたグループもあるでしょうが、生徒諸君には、発表や質問などの場面で、考えたことや感じたこと、気づいたことを存分に表現してもらいたいと思います。また本日は、同じSSH校として先進的に研究活動に取り組んでいらっしゃる鳥取県立鳥取西高等学校をお招きし、2つのステージ発表を最後にしていただきます。この発表からも多くの学びを得てもらえれば幸いです。

 結びに、本日は、参加者全員による「SHOW TIME」ならぬ、「SHARE TIME」です。参加いただく皆様方には、生徒の活動の様子をご覧いただくだけでなく、様々な角度から質問していただいたり、感想をお寄せいただたりするとありがたく存じます。それでは、皆さん、今日一日、明るく、元気に、静かながらも活気をもって、知的な「対話」を楽しみましょう。  本日はよろしくお願いいたします。

 

 

 

令和4年度出雲高等学校SSH研究成果発表会あいさつ