出会いと発見を大切に ~多様な経験の先に拓く新たな世界~
始業式の目的は二つです。一つは、長期休業を終えての再会の日に、元気な姿を互いに確認し合い、喜び合うこと。二つ目は、新たな学期の始まりにあって、重点的に取り組むことや大切にしたいあり方を確認し、共有することです。
まずは、元気な笑顔の花たちが各教室いっぱいに咲いているであろうことを喜びたいと思います。
1学期の終業式で、SSパワーアップセミナーでの吉藤オリィ先生の言葉を紹介し、「出会いと発見の夏となること」への期待を伝えましたが、この夏、皆さんはどんな出会いや発見があったでしょうか。自らの成長を実感できる経験は積めたでしょうか。次のチャレンジに向かう意欲の高まる夏になりましたか。
熱中症を懸念される酷暑の夏でした。さらに、一向に収束の見えないコロナ禍でもありました。そんな状況下にあっても、様々なイベントや学習活動が精力的に行われました。探究学習の成果発表の機会として位置づけた「山陰探究サミット」や出雲市役所への政策提言、中学生向けの2日間にわたるオープンスクール、インターハイや全国高総文祭、ダンスのDrill選手権大会、吹奏楽や合唱のコンクール、3年生・補習科生のサマースクール、そして大学別を含む各種模試や大学等のオープンキャンパス、部活動での鍛錬など、多様な経験がしっかりと積み重ねられたことを、嬉しくかつ頼もしく感じます。例年以上に危険と隣合わせの状況の中でも大過なく充実して終えられたのは、引率や運営・指導・支援に関わってくださった先生方はじめ、生徒の皆さんの努力の賜であり、心から感謝します。ありがとうございました。皆さんの笑顔の背景には、夏における各々の充実があるのでしょう。この夏の経験が活かされ、次なる飛躍へとつながることを期待しています。
では次に、今学期に心がけてほしいこと、目標としてほしいことを3点伝えます。
一つは、圧倒的な主体性と協働性、そして行動力を発揮してほしいということです。8月30日から一大イベントである学園祭(久徴祭)が行われます。生徒会執行部が中心となって懸命に企画してくれていますが、文化祭も体育祭もすべて他人事にせず、自分達事として、当事者意識をもって主体的にアクティブに臨んでほしいと思います。コロナ禍にあり、昨年度に続いて制約のあるプログラムとなりますが、統一テーマに込められた、「コロナの逆境をも打ち消すほどのStorm、逆巻く渦の生じる久徴祭」となるよう、クラスや分団、様々な単位で結束し、素晴らしい表現活動に努めてください。皆さんの圧倒的な主体性や協働性、行動力によって、日頃お世話になっている保護者や卒業生会の皆様、また地域の方々の感動を呼び、中止や縮小を余儀なくされている伝統的な地域の祭にもひけを取らない、充実し盛り上がる思い出深い学園祭となることを期待しています。
二つ目は、計画性をもって地道な努力を積み重ねてほしいということです。3年生は社会の扉を開く時が間近に迫っています。どの扉を選ぶかは人それぞれですが、共通するのは、自分で選び、自力で近づき、自分の手で開くということです。自動ドアなんてありません。また、開いた後の世界は様々、まさに未知の世界ですが、近づくための努力は仲間たちと励まし合いながら一緒にできる、これが学校の素晴らしさです。GRITizm Noteを活用して、扉に届くまでの時間をしっかりとスケジューリングし、自分に嘘をつかない、粘り強く最後まで諦めない、地道な努力を積み重ねてください。こうした努力の積み重ねによる受験の体験は、貴重な経験値として必ずや人生に活きていきます。夢を志に高めて、苦難を乗り越えてください。1・2年生は、先輩の姿をしっかりと目に焼き付け、自分の「扉」探しと夢や目標を実現するための努力の参考にしていきましょう。
最後の三つ目は、一皮むけるということです。この夏に経験した人も多いと思いますが、自分を成長させるための脱皮には、新しい人との交流や初めての経験が役立つものです。偶然でもかまいませんが、できれば意図的に、自身の変革を促す目的をもった脱皮を心がけてください。一皮ずつむいていけば、いずれはピュアで晴れやかに変革を遂げた自分に出会えることでしょう。2学期にむく初めの一皮は何にするか。率先しての挨拶による居心地のいい環境づくりや授業・部活動に臨む姿勢の変革など、よりよい集団を創り、自身を高めるための一皮を剥く、さあ考えて即実行です。
1年の中で最も忙しい、でも充実感のある2学期が始まります。ぼんやり過ごしていてはもったいない時期の到来です。久徴祭や受験、その他様々なことに、意志をもって真正面から向き合い、 仲間や同志達とともに笑顔の花をいっぱいに咲かせましょう。
以上、夏を終えての再会を喜ぶとともに、2学期への期待を伝え、始業式の式辞とします。
令和4年8月17日 校 長 多々納 雄二