久徴園の草花は少しずつ春の準備が進んでいます。
今回は、スプリング・エフェメラル(春の妖精)と呼ばれるセツブンソウ、ミチノクフクジュソウから紹介します。
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セツブンソウ(キンポウゲ科エランティス属)
節分のころに咲くので「節分草」です。真冬に芽を出して花が開花し、そのあと葉を茂らせ晩春に地上部は枯れて秋まで休眠します。地上に顔を出しているのは一年のうちで三か月ほどです。可憐さとはかなさが魅力の草花として愛されています。ロックガーデン、池の奥の方にひっそりと咲いてくれました。
ミチノクフクジュソウ(キンポウゲ科フクジュソウ属)
旧暦の正月の二月頃から咲きはじめ、おめでたい印象の「福告ぐ草」、これが転訛して「福寿草」とよばれています。フクジュソウは太陽の光を集めやすい花の構造で、日が当たると花が開き、日が陰ると閉じます。さらに、太陽に合わせて花の向きも変わります。蕾に見えても日が当たれば10分程度で花が開くので気長に待つのも楽しいかもしれません。
ギンヨウアカシア(マメ科アカシア属)
「銀葉アカシア」の名のとおり、葉が銀緑色のアカシアです。別名「ミモザ」の方がよく知られているかもしれません。2~4月頃枝先に小さな球形の黄色の頭花を多数つけ、可愛らしさを表現しています。第2体育館南側、砂利の駐車場に元気よく咲いています。
ヤドリギ(ビャクダン科ヤドリギ属)
「宿り木」「宿木」「寄生木」と書きます。寄生植物で地面には根を張らず、他の樹木の枝の上に生育する常緑の多年生植物です。他の樹木の幹や枝に根を食い込ませて成長しますが、一方的に養分や水を奪っているわけではなく、自らも光合成をおこなう半寄生です。古くからヨーロッパでは神聖な木とされ幸運を呼ぶ木とされてきました。冬の間でも落葉樹に半寄生した常緑樹は、強い生命力の象徴とみなされ西洋・東洋を問わず、神が宿る木と考えられました。3~4号館東側の大きな「エノキ」に宿っています。見上げてみてください。幸運が訪れるかもしれません。
イズモコバイモ(ユリ科バイモ属)
「出雲小貝母」と書きます。
環境省や島根県のレッドデータブックで絶滅危惧種に選定されています。
蕾の状態から撮影を始めました。
次回は花が咲いている姿を紹介します。