冬の久徴園

久徴園の草花は、少しずつ春の準備が進んでます。この時期は、葉を落としている樹木の枝の形や冬芽を観察できますので、ぜひ冬の久徴園も散策してみてください。

 

 

 

 

 

 

 

マンリョウ

マンリョウ

サクラソウ科ヤブコウジ属
Ardisia crenata

マンリョウは、下に赤い実がぶら下がっているのが特徴です。「万両」は、そのおめでたい名前から「センリョウ」と共に正月飾りに用いられます。冬に赤い実がなる植物は、「カラタチバナ」( 百両 )、「ヤブコウジ」(十両 )、「アリドオシ」( 一両 )などがあります。アリドオシは、「千両、万両、有り通し(お金がいつもあるという意味)」と縁起を担ぐことで知られています。

 

 

 

コハウチワカエデ

コハウチワカエデ

ムクロジ科カエデ属
Acer sieboldianum

コハウチワカエデは日本の固有種で、本州、四国及び九州に自生しています。天狗が持つ羽団扇 ( ハウチワ ) に似た葉を持つことから、羽団扇の和名が付けられました。見分けるポイントに葉柄の長さがあります。コハウチワカエデは、葉と同じか 2/3 の長さ。葉の大きいハウチワカエデの葉柄は、葉身の 1/2 以下と短く、花が紅紫色です。また、学名は、ドイツの医師・博物学者シーボルトにちなんで名付けられました。

 

 

クチナシ

クチナシ

アカネ科クチナシ属
Gardenia jasminoides

熟しても果実が裂開せず、口が開かないことから「クチナシ」の和名が付いたとされています。花の時期は、甘く濃厚な香りを放ち、キンモクセイやジンチョウゲと並び三大芳香花に数えられます。葉は対生、卵形で張りのある葉をつけます。果実からは綺麗な黄色の染料が取れるため、栗きんとん、たくあん等の色付けに利用されます。

 

 

セツブンソウ

セツブンソウ

キンポウゲ科セツブンソウ属
Eranthis pinnatifida

古くより、節分の頃に花が咲くのでこの名前があります。春先にだけ姿を見せる「春の妖精」と呼ばれる植物の一つです。春以降は、地上部分が枯れてなくなってしまいます。他植物が眠っているなか、健気に花を咲かせる貴重な植物です。時間帯によって花や葉の色の見え方が変わり、色彩でも楽しませてくれる植物です。久徴園の池の奥側ロックガーデンに小さく咲いていますので、探してみてください。


 

 

シナマンサク

シナマンサク

マンサク科マンサク属
Hamamelis mollis

中国原産となるシナマンサクは、日本固有のマンサクよりも早く咲き、花の時期にも葉が残っているのが特徴です。和名のマンサクは、「まず咲く」が訛ってその名が付けられました。また、早春に黄金色の花を咲かせるため、「豊年満作」の満作から付けられたと言われています。花のない時期は、丸く柔らかな葉を付けます。秋には黄葉も楽しめる多彩な樹木です。

 

 

 

久徴園の草木花(2023年1~2月)