5月になると徐々に気温が上がり、久徴園の花や葉も少しづつ充実してきました。
晴れの日が続く中、雨を待つ初夏の植物をいくつか紹介します。
ユキノシタ(ユキノシタ科ユキノシタ属)
Saxifraga stolonifera
半日陰の少し湿った環境に自生するユキノシタ。白い花弁の下の2枚が長く伸びるのが特徴です。また、白い葉の模様も印象的で、生薬では虎耳草(こじそう)といわれ、解熱や解毒、小児のひきつけに役立てられてきました。
キョウガノコ(バラ科シモツケソウ属)
Filipendula purpurea
日本産の園芸品種で歴史のあるキョウガノコ。小さな紅色が集って咲く花は、京都の染め物”鹿の子絞り”に由来します。モミジのような葉と風に揺れる繊細な花が印象的です。よく似ている植物にシモツケソウがあり、葉のつき方に違いが見られます。
サンショウバラ(バラ科シモツケソウ属)
Rosaceace hirtula
富士箱根地方に自生するサンショウバラ。別名ハコネバラと呼ばれ、出雲高校には古くから植栽されている日本固有種のバラです。名前のとおりサンショウにそっくりな葉をつけています。サンショウのような香りはないので、葉を揉んで確認するとよく分かります。
フタリシズカ(センリョウ科チャラン属)
Chloranthus serratus
日陰でやや湿った場所に生える多年草です。和名は、能の「二人静」に由来しています。満開の花でも花弁はなく、丸みのある雄しべが雌しべを包んだ少し変わった花をつけます。似たものにヒトリシズカがありますが、こちらはフタリシズカより少し早くに咲き始めます。
ヒトツバタゴ(モクセイ科ヒトツバタゴ属)
Chionanthus retusus
樹高は20-25mにもなる落葉高木です。4月下旬頃に白い花をつけ、樹冠は真っ白になります。タゴ=トネリコを意味しており「一つ葉のタゴ」から名前がつけられ、別名をナンジャモンジャと呼ばれてます。松江の城山公園にも見られます。
ツマグロヒョウモン
スミレ科の植物を食べて育つ蝶です。翅の先が黒いのが特徴です。