12月中旬まで楽しめた久徴園の紅葉も、冷たい木枯らしの風にあおられ、一気に冬に衣替えをしました。
久徴園12月の草花は
「 核葛 のちも逢ふやと 夢のみに 祈誓(うけひ)わたりて 年は経(へ)につつ」
万葉集 柿本人麻呂の歌にも出てくる核葛(さかねかずら)、別名ビナンカズラ(美男葛)から紹介します。
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【サネカズラ(マツブサ科サネカズラ属)】
古い時代からサネカズラの名前で知られています。万葉集では、”さねかずら”とか”さなかずら(核葛)”の名前で登場します。つるが伸びて絡み合う、どこまでも伸びていくことから、「後に会う」「絶えず」などの意味で使われています。つるからは樹液が取れ、それを江戸時代では男性が整髪料として使っていたため、別名ビナンカズラ(美男葛)とも呼びます。
【クチナシ(アカネ科 クチナシ属)】
久徴園山頂にある常緑低木で、高さ1~2メートルになります。花は6~7月に甘い香りの白色の花を咲かせます。11~12月は橙色に熟した果実ができます。写真に見られるように果実は裂開しないことから「口無」の名前がついたという説があります。この果実は、無毒で、栗きんとん、たくあん等の様々な食品の着色に使われています。また、消炎、止血、解熱などの薬用に用いられます。将棋盤や碁盤の脚はこのクチナシの果実をかたどったもので、生活の中に色々と使われている植物です。
【ユリノキ(モクレン科 ユリノキ属)】
北アメリカ原産で高さが20メートル以上にもなる落葉高木です。別名はハンテンボク、チューリップツリーと呼ばれています。写真の果実は翼果が集まった集合果で、風に飛ばされるとくるくると回転しながら落下します。この時期は、葉が落ちていますが、葉は半纏(はんてん)を広げたような面白い形をしています。正門と自転車小屋の間にあるので葉が展開する季節にぜひ見てみてください。
12月に入りさらに紅葉が鮮やかに色づきました。
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