久徴園の草花(11月)を紹介します。画像をクリックすると拡大できます。
花の開花の季節は様々で雪解けすぐに開花するフクジュソウがありますが、秋遅く咲く花もあります。その1つがビワやヤツデといった植物です。この時期昆虫も活動しなくなるのではと思いますが小春日和の暖かい日には蚊やはえの仲間が盛んに花を訪れます。植物の生育には適さない季節ではありますが逆に同じ植物どうしで受粉できるというメリットもあります。(y)
この時期さみしくなった野山に明るい彩りを与えてくれるのが野菊の仲間です。キク科のキク属が狭義の野菊で島根県では黄花のサンインギクとオキノアブラギク、オッタチカンギク、白花のリュウノウギクが見られます。(y)
黄色の野菊は分布が異なり、西から多伎町までサンインギクが、隠岐にはオキノアブラギクが、立久恵とその周辺にオッタチカンギクが見られるので、島根県でも野菊といって黄色い菊を身近な場所で思い出すことができる人とできない人がいます。私は残念ながら後者のほうです。久徴園には各種の野菊がありますが、入り口左に生育する野菊は千葉県から静岡県に生育するイソギクなのですが、これは本来花(実は花の集まりの周囲に花びらのような舌状花はもっていません。これはイソギクと栽培されている家菊の雑種です。このように菊は雑種を形成しやすい性質があります。島根県のギクでサンインギクは家菊と同じ四倍体なので大田あたりなど各地で雑種をつくっています。サンインギクは島根県で発見された野菊でもあるので雑種をつくらないよう守ってかなくてはならないものです。さらに報告された内容に雑種も含めていることもあり、大きくまとめたシマカンギクにした図鑑もあります。しかし植物体の大きさがはっきり違うのでサンインギクはぜひ残したいと思っています。そのこともありハナイソギクを見ると複雑な思いがしています(y)