久徴園の草花(10月)を紹介します。
今月は 『クサギ』から紹介します。画像はクリックすると拡大します。
『クサギ』
秋の夜はつるべ落としで部活動の生徒が帰るころはすっかり闇の世界となってしまいました。山地では紅葉のまっただ中となりましたが、久徴園の紅葉も色づき始めています。秋には様々な実がなるのですが、今回はクサギを紹介します。
クサギは名前のとおり葉に特有の臭いがあることから各地でクサナ、クサジナ等呼ばれ、仁多町でもクサギナと呼ばれていたようです。ただ、これも若い葉をゆでて食べることができ、以前山菜として食べたときにはまったく臭みもなくおいしいといえるものでした。
クサギは秋の果実が印象的ですが、夏にも白い花で雄しべ、雌しべがとても長く目を引きつけられます。またアゲハ類もよく吸密にやってきます。秋の果実は黒紫色に熟し、周囲に残る赤い萼片と相まってとても印象的な姿をしています。この姿から各地で色々な名前で呼ばれていたようですが、その中で福井県ではボンサンジリジリとよぶことがあったようです。これは別の考え方もあるようですが、私は沖村先生のお坊さんがじりじり焼かれている姿から名付けられたからに賛同します。恐ろしい状態ですが、その姿をみごとに言い当てており、自然と関わる中で名づけられたすばらしい名前なので記憶に残っています。このような言葉はすでに無くなってしまったのではないかと思います。身近な自然に触れながら生活していたころにあこがれの気持ちもあります。みなさんは興味がありませんか。(y) 参考 沖村義人 「樹木の島根方言」
久徴園の草花(10月)2018